分析結果から見えたものは何か?
驚きの真実
解析の結果、漆層は器の外側に均一に塗られていないことが分かりました。
漆の塗装と研磨を繰り返し行うことで、表面を滑らかにし、木材の内部に漆を浸透させた後、外側に塗装していることが判明しました。
初期工程では、密度の低い漆(生漆)を使用し、木地内部まで漆を浸透・固化させることで、多孔質である木材の耐久性を向上させ、木材の腐敗を防ぎ、耐久性のある輪島塗の下地を作ります。
この技術こそが、輪島塗の特性の一つである「本堅地」技術です。初期工程から次第に進むにつれて、密度の低い漆(生漆)から密度の高い漆へと徐々に漆の密度を上げていきます。これにより、漆同士の密着性が高まると考えられます。
木地の内部構造を整えつつ、碗全体を堅牢にする作業を何度も繰り返し、最終的には密度の高い漆を器の外側と内側に均一な厚さで塗り、全体の仕上げを進めていきます。
124以上の技術工程と職人の技が詰まった美しい輪島塗が完成します。
【協力】
KYOTO's 3D STUDIO株式会社
https://k3s.jp/
独立行政法人国立文化財機構
奈良文化財研究所
https://www.nabunken.go.jp/
KYOTO's 3D STUDIO株式会社
KYOTO's 3D STUDIO株式会社は、先進的なデジタル技術を駆使して文化財の保存と活用を推進し、地域社会や観光業、教育分野において多大な貢献を果たしています。